家族愛が見え隠れする、ドタバタ人情劇を包み込む
チダイの丸ごと味噌スープ

<材料>(約2人分)
・チダイ 1尾
・しょうが 15g
・えのき 50g
・しめじ 50g
・舞茸 50g
・長ねぎ 1本
・三つ葉 2本
・万能ねぎ 2本
・酒 大さじ5
・みりん 大さじ3
・水 適量
・味噌 大さじ2〜3
<下準備>
・チダイは鱗と内臓を取り除く。
※スーパーなどで下処理しているものを購入しても可
・しょうがは皮をむき、薄切り。
・えのき、しめじは石付を取り手でほぐす。
舞茸も同様にほぐす。
・長ねぎは5cm幅の輪切り。
・三つ葉は2cmの長さに切る。
・万能ねぎは小口切り。
<作り方>
①チダイはよく水洗いした後、全体に塩を振りザルの中で15分置く(生臭さを抜く)。
② ①のチダイを軽く洗い、沸かしたお湯を表面が白っぽくなるまで全体に回しかける。
③フライパンに下処理したチダイ、しょうがを入れたら、酒、みりんを回しかける。
チダイが半分浸るくらい水を入れて中火にかける。
ある程度灰汁を取り除いたら、きのこ類、長ねぎを加え弱火で煮込む。

④ ③の火が通ったら味噌を加えて、味を整える。
⑤器によそい、三つ葉を添えたらできあがり。
☞ポイント
★チダイの生臭さを取るために、
工程① ②の下処理をしっかりしましょう。
\ Staff Voice /
「まずいスープ」!なんて作るはずもなく(作りたくもないだろう)、出来上がった味噌スープは魚のじんわりとした風味が広がる、愛情深い一皿でした。

下処理することで、生臭さがなくなり食べやすくなる
しょうがが効いていて、寒い季節も体の中から温まりますよ。
恒例の試食の時間。もっと上品に食べたかったのに、話半分でがっついてしまったことをここで謝っておきます…。
ぜひ魚の味噌汁をお試しください。
『まずい』もの考察とスープづくり
『まずいスープ』というタイトルはなんともインパクトがあって忘れられない本の一つになった。
それに負けない内容、というより、この変な家族の話はどこかの定食屋さんの
裏メニューが癖になるかのような味に仕上がっているようだった。
ストーリーの冒頭に登場する噂の父が作ったスープの描写。
どうしたら美味しそうに伝わるかを一生懸命に考えて来た私からすると、
食欲を削ぎ落とす、ある意味とても勉強になる言葉が綴られていた。
『泥のように』『ガラスみたいに浮かんだ油』
ふだん、口に入れることのない物が食べものとして変換されると、こうも美味しくなさそうになるなんて…。
そもそも、みなさんは『まずい』ものを食べた事がありますか??
私は自分で作った料理や家族や友人が作ってくれた料理、レストランの料理、コンビニ飯、
ファミレスのドリンクバーで作った謎のモクテル
(今はそんな言葉があるけど、昔は名前なんてなかった)と、いろいろな味を味わってきた。
しょっぱい、甘すぎる、辛すぎる、食感が固い、パサつく、脂っこいなど、
『自分の好みではない』料理は食べたことがあるけれど、『まずい』料理に出会ったことがないと気がついた。
でも、できるだけこの『まずいスープ』に見た目だけでも近づけるために、
味噌を使ってドロっとさせる部分や魚を丸々使うことで、歩み寄れた気がする。
話はちょっとそれますが、ハリーポッターに登場する百味ビーンズをご存知でしょうか。
アメリカ生まれのソラマメ型をした砂糖菓子で、
ハリーポッターにも一風変わったお菓子として登場します。
美味しいフルーツ味がある中で石鹸味、土味があったり、腐った卵味、耳垢味、ゲロ味、鼻くそ味と
汚物系と言われるビーンズも潜んでいる…。
そんな誰も食べたくないジェリービーンズを作ってください。という仕事が数年前に入ったことを思い出しました
(結局、百味ビーンズは採用されずに別の美味しいものを作りましたよ)。
さてさて『まずいスープ』のスープは、美味しく仕上がっているのでしょうか。

(文・さわのめぐみ)