
主人公が考えに考え抜いたスープとは?
名なしのスープ〜トロワのごちゃまぜポタージュ〜

<材料>(約4人分)
・玉ねぎ 2個
・かぼちゃ 1/8個
・にんじん 1本
・セロリ 1/2
・長ねぎ 1/2
・じゃがいも 2個
・コーンの缶詰 1缶
・水 1リットル
・サラダ油 大さじ2
・バター 50g
・赤ワイン 大さじ1
・塩 小さじ2
(仕上げ)
・生クリーム 大さじ1
・パセリ 小さじ1
・ピンクペッパー 小さじ1
<下準備>
・玉ねぎ、にんじん、じゃがいもは皮をむく。
かぼちゃは外側の緑の部分取る。
・玉ねぎ、セロリ、長ネギは薄切り。
・にんじん、じゃがいも、かぼちゃは一口大の大きさに切る。
・コーンの缶詰は水分を切っておく。
<作り方>
①鍋にサラダ油と玉ねぎを入れて、中火で炒めはじめ、徐々に弱火にしていく。
② ①の玉ねぎがしっとりとして1/3ほどの量になったら、コーン以外の全ての材料を加え、
蓋をして弱火で約30分ほど煮込む。
③ハンドブレンダーまたはミキサーを使い攪拌してポタージュ状にする。
④コーンを加える。味見をして塩加減を調整。生クリーム、パセリ、ピンクペッパーを加えて仕上げる。

☞ポイント
★玉ねぎは水分が減ってくると焦げやすくなるので、
徐々に火を弱めていきましょう。
★ポタージュ状になったスープは焦げやすいので、
再度温める際は気をつけましょう。
\ Staff Voice /
この味は主人公の“心”を映しているんだろうなあと想像し、ひと掬いひと掬いじんわりと味わいました。
ごちゃまぜと言いつつ、それぞれの素材がちゃんと主張せずに一体化されていて。
さわのさんは「この小説が好き」とおっしゃっていたので、スープもきっとその気持ちが入っているんだろう。
ごちゃまぜの味は、とても真っ当な美味しさで心が救われました。

満たされる、スープづくり
紙袋に詰まったサンドイッチはそれだけで美味しそうに感じる。
コーヒーにはコーヒーカップがあるように、グラタンにはグラタン皿があるように、うどんやラーメンにはどんぶりがあるように。
食べものそれぞれには居心地のいい器があって、その器に収まると、よりいっそう美味しくなってくれる。
私はそう信じている。食べ物も人間と同じで居心地の良い場所では自分自身でいられる。
さて、みなさんは『3』という数字に何か思う事はありませんか?
人間のカラダは魂、精神、肉体の三位一体の要素で構成されていると考えられていたり、
宇宙も過去、現在、未来の3次元、エジプトでは『3』は神聖なものとされていてピラミッドも三角形だったり。
光の三原色。色の三原色。三種の神器、見ざる、聞かざる、言わざるの三猿、三大美女、三大珍味、
探し始めるといくつも出てくる『3』の不思議。
トロワの主人の安藤さんが『三度目の正直』と言っていますが『3』に込めた思いは、
もしかしたらただの験担ぎだけではないのかもしれませんね。
だってほら、サンドイッチも三角形だったりしますし。
そんなトロワのサンドイッチに合せるスープとは?
きっと正解はなく、どんなスープにでもなり得たが、私はどうしてもポタージュに仕上げたかった。
わざわざペースト状にしなくたって、それはそれで美味しい。
食感もあって目でもどんな材料が入っているかわかる。
けれどそれらの材料を一体化させ、繋ぎ合わせることで生まれる味わいは丸くて、やさしい。
はじめてなのにどこか懐かしい。この物語の魅力とも言える柔らかさと温かさを感じるポタージュに仕上げました。
沢山の意味を持つ『3』トロワ。
日本語においても『みっつ』と数えるところから『満たされる』と願いや祈りを込められた数字でもあるそうです。
トロワのスープは満たされるスープ。
目に見えない沢山の材料や思いが隠れた温かいスープをどうぞ美味しく召し上がれ。
(文・さわのめぐみ)