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新連載【スープ往復書簡】夏にうれしい!すっぱ旨い「トマトとすんきのサワースープ」

更新日:2022年7月21日

長野県松本市に移住した金子健一さんと、山形県鶴岡市にUターンしたマツーラユタカさんからなるフードユニット「つむぎや」さんによる、新連載がスタート!

金子さんが住む長野県松本市から山形県鶴岡市のマツーラさんへ。山形県鶴岡市に住むマツーラさんから長野県松本市の金子さんへ旬の食材や地のものを贈り合いながら、それぞれ暮らす土地を結んでスープをつくります。そして二人がお互いに書き綴る、交換日記のようなやりとりも見逃せない、月2回にわたる新企画です。


今回二人が決めたテーマは「夏野菜」。それぞれの土地で旬を迎えた夏野菜に、お互いの土地のエッセンスを取り入れながら、新しいスープを考えてもらいます。また、スープに使うおすすめの食材や調味料、ご縁のある農家さんなどをご紹介。食を通して人と人をつなぐ、つむぎやさんならではのスープをこれからお楽しみください。


 

長野県松本市▷▷▷山形県鶴岡市 マツーラさんへの贈りもの


松本市と鶴岡市のキャッチボールスープ企画の第1回目。

以前から気になっていたのが、長野県の漬物文化。金子さんが暮らす松本市の赤羽家(金子さんは婿入りしている)でも野沢菜漬けを代々作り続けている話を聞いて、よいなーと思っていたけど、金子さんから話を聞いて特におもしろいなと思ったのが、木曽地方の「すんき」なる漬物。

信州の伝統野菜である木曽の赤かぶ・開田カブの茎の部分を発酵させた漬物。

実の上から葉の根本の部分の間に、乳酸菌がついているんだそうで、漬物なのに塩もまったく使わずに、その植物性乳酸菌だけで発酵させてつくるという、貴重かつユニークな発酵食品。こういった発酵文化が守られている長野県って、すごい!


「すんき」のすっぱさをいかして鶴岡市のトマトとあわせ、中華料理の酸辣湯(サンラータン)のようなイメージで、『夏向きのすっぱ旨いスープができないだろうか』と、思い浮かんだ。「すんき」は春先で食べ切ってしまうことが多いとのことで、金子さんにはその「すんき」を乾燥させたものと、開田かぶの漬物を送ってもらって、スープづくりをしてみることにしました。

マツーラユタカ より


 

夏にうれしい!すっぱ旨い

トマトとすんきのサワースープ


<材料> (2人分)
・ごま油 大さじ1と1/2
・しょうが 1片
・いりこ 5〜7g
・トマト(小ぶりなもの) 4個
・すんき(ドライ) 3〜4g 
 ※なければ野沢菜など青菜の漬物を刻んだもの
・赤かぶ漬物 1/3個
・水 400ml
・ナンプラー 大さじ1と1/2
・酒、みりん 各大さじ2

<下準備>

・いりこは頭と肝を取り除き、手で細かくちぎる。

・しょうがと赤かぶの漬物はみじん切りに。

・トマトはすべて湯むきし、そのうち2個は1cm角にカットしておく。



<作り方>

①鍋にごま油、しょうが、いりこを入れ、弱火で1〜2分加熱する。

最初にじっくり加熱することで、それぞれの具材の旨みを引き出す。



② さらに角切りにしたトマト、すんき、赤かぶの漬物を入れる。

中火にして軽く炒めたら水を入れ、蓋をして加熱する。


③水が沸いてきたら蓋を開け、酒、みりんを加えてよく混ぜて、湯むきしたトマトを入れ2分程度煮る。漬物の塩分も出てくるため、ナンプラーは味見をしながら少しずつ加えて、完成!

トマトは角切りと丸ごとのダブル使い!角切りは出汁のような役割に。

丸ごとトマトは最後に入れて盛り付けることで、見た目のインパクトも◎。

崩しながら食べていくとトマトの果汁がしみ出て、スープの味が変わっていくのも楽しめる。


 


今回のスープづくりに使ったおすすめの食材や調味料、ご縁のあるつくり手さんをご紹介。中にはお取り寄せ可能な食材も!



鶴岡市でトマトといったら、井上農場さん。

マツーラがやっているカフェ「manoma」でも、夏はトマトの出番が多くなります。井上農場さんのトマトは、甘さだけじゃなく、酸味もしっかり、土の香りがするような趣。水をギリギリまでやらずに生命力を引き出し、有機肥料を与えてつくられるんだそう。火入れしたときに酸味が旨みに転じて、ものすごい美味しさが広がります。




東京で「つむぎや」として活動していた時代から、ずっとお世話になっているのが、香川県のやまくにさん。水揚げから茹であげ、そして乾燥までの時間を最小限にして仕上げられる、瀬戸内海の最上級のいりこたち。甘くてクリアな出汁がとれるので、マツーラが鶴岡市に戻ってきてからもお世話になっております。



 

次回のレシピは7月21日(木)。
鶴岡市のマツーラさんから松本市の金子さんへ食材をお届けし、スープづくりをしていただきます♪金子さんがおすすめするお取り寄せ食材もお楽しみに!



(レシピと文・つむぎや マツーラユタカ

○Alps gohan


○manoma


○つむぎや

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