top of page
bouken_1212_zendan.jpg

「ものがたり食堂」さわのめぐみさんへ

 

『ソウル・キッチン』は、さわのさんへの挑戦状です。

いつものように自由な解釈で……

でなく、今回は決め打ちで "あるスープ"を考案していただきたく、この映画を選びました。

 

 

そのスープとは、劇中に一瞬だけ登場する『巨匠のスープ』。

 

一瞬といっても、映像ではなく、

メニュー内の文字としてのみ登場するスープになります。

 

巨匠。

 

この文字にするだけで好奇心をそそるスープを、

さわのさんのありあまる想像力で形にしていただきたいのです。

 

物語を説明しておきます。

 

「レストラン"ソウル・キッチン"の若きオーナーシェフが、

ヘルニアで調理ができなくなり、酒好きな天才シェフを雇い入れます。

彼の作る魂の料理は評判に評判を呼び、瞬く間に店は大盛況!

そこへ訳ありの兄が盗んだDJセットで音楽を加えたことで、連日大繁盛に!

すべては上手く回り始めた、ハズだった…」

 

というわかりやすいストーリーになっています。面白そうでしょ?

 

 

『巨匠のスープ』というのは、酒好きの天才シェフが考案したもの。

自らを"巨匠"と言い切ってしまうビッグマウスと、見た目からは想像できない繊細な料理。

それまでは、冷凍の魚のフライや、ポテトを出していた庶民的なお店を、

鋭いクリエイティビティを持って、ヒップな人気店へと引き上げてしまった天才の作る『巨匠のスープ』は、

さわのさんのイマジネーションが加わると、どのようなメニューになるのでしょうか?

 

もうひとつ、情報を付け加えておきます。

監督のファティ・アキンは、カンヌ、ベルリン、ベネチアという3大国際映画祭を、

なんと30代で制覇してしまった新進気鋭のトルコ系ドイツ人監督です。

 

本作では、彼自身のルーツである ″移民″ について表向き触れていないのですが、

主人公はギリシャ系だし、トルコ系やアラブ系のキャラクターも登場するなど、

ドイツ・ハンブルクの多民族性をさりげなく提示もしています。

 

そしてその象徴が、レストラン "ソウル・キッチン" なのです 。

ごちゃ混ぜな音楽が鳴り響き、自分にとってのソウルフードを味わう人たちが集う場所。

この店はつまり、飲食だけでなく、彼らにとっての"心"の拠り所でもあるわけです。

 

 

情報は揃いました。

さわのさん独自の『巨匠のスープ』、心より楽しみにしています。

 

※劇中には、ガスパチョ(冷たいスープ)にまつわる爆笑ネタもあります。

スープ愛好家のみなさま、お楽しみに!

(文・kino Iglu 有坂 塁)

ソウルキッチン.PNG
bouken_1212_zendan.jpg
bottom of page